残暑お見舞い申し上げます

先週、東京は両国にある江戸東京博物館で開催されている「花開く江戸の園芸」へ行ってきました

関東へ来ている時は、出来るだけ展覧会をいくつか廻れるような時間を割くようにしたいのですが、昨年姉とお互いの息子を連れてむりから展覧会を廻り、予想通り子供も大人もクタクタだったので、今年は1日ヒマをもらい一人身軽に! 



まず目に入った「展覧会趣旨」に胸を打たれたのですがそこに書かれていた文が以下の文です
(以下転記)

「日本人のいちじるしい特色は、下層階級でもみな生来の花好きであるということだ」――1860年に来日したイギリスの植物学者、ロバート・フォーチュンが驚きをもって指摘したように、江戸では草花の栽培に丹精をこめ、鉢植えの草花で生活を飾る豊かな園芸文化が開花していました。この時代の園芸文化がいかに高いレベルに到達していたのか、フォーチュンは次のように続けています。「もしも花を愛する国民性が、人間の文化生活の高さを証明するものとすれば、日本の低い階層の人びとは、イギリスの同じ階級の人達にくらべると、ずっと優って見える」。(以上)

農民であった東京・染井の植木屋伊兵衛が庶民も読める園芸書として植物の名前や特徴・栽培方法をわかりやすく著した「花壇地錦抄」(カダンジキンショウ)の実物が展示してあり、毛筆で花姿や葉姿の図解を描き解説文にも振仮名をふり多くの対象者に向けて簡潔に細やかに書かれた内容で伊兵衛さんの人となりも見える様なものでした。
身分制度が濃厚だったこの時代に大名から町人・農民までの幅広い階層が植物を育てる楽しみをボーダレスな趣味として公に実在していてそこへ大きな影響を与えた伊兵衛さんは偉大です
その事をプラントハンター ロバート・フォーチュンが「展覧会趣旨」に書かれていた様な表現で感嘆したのだと思います

そして、《増補地錦抄》《広益地錦抄》《地錦抄付録》などの続編が出され江戸の花の名所や薬用の草花/海外渡来の奇品などが紹介される江戸のメディアの一つだったのがよくわかります

そこから発信された影響力がやはり大きかったからでしょう、その後販売される植物が生まれ農民だった植木屋が商人になり、信仰と娯楽を兼ねて江戸の行楽文化が育ち、植木屋の美しい草花の庭やお花見に来る人々を目当てに茶店を出してしまうという急成長を遂げる遍歴もとても面白かった

これまで書いた内容は、展示のほんの序盤の部分ですので展示室全体ではかなり見応えがありました

脈々と現代まで流れて来ている、園芸文化が伊兵衛さんのお陰でもあるとすれば私も敬意を示さなくてはならないのかもしれない

とりあえず大阪に戻った今は、買って来た図版を熟読してます。。。


江戸東京博物館 会館20周年記念特別展
「花開く江戸の園芸」
@ 江戸東京博物館
〒130−0015
東京都墨田区横綱1−4−1
03−3626−9974
会期 2013年7月30日ー9月1日
9:30ー17:30(土曜日は19:30まで)
休館日:月曜日